それでもいつか、貴方の隣に。
 ほっとするような、同時に酷く苦しくなるような。



 「昨日、告白したんだ……」


 「先輩__」


 「やっぱり……こんな僕じゃ、頼りないのかなあ……」



 同情の言葉も、慰めの言葉も、その時は言えなかった。


 どうにもできなくて、気がつけば私は先輩のことを抱きしめていた。



 「そんなこと、ないです……!」



 自然と、手に力がこもる。


 そこには下心なんて、全く存在しない。



 「先輩の一途なところ、ずっと近くで見てました……! 優しくて思いやりがあって、いつもいつも笑顔で……!」



 もしかしたら先輩も、影で泣いたりしたのかもしれない。


 だけどもう一人で抱えてほしくない。
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