あなたと私の関係



「お、お邪魔します…」



頭の中でぐるぐる考えながら、恐る恐る玄関へ。




靴は靴箱にきっちり収納する主義なのか、サンダル1つないまっさらなそこでローファーを脱ぎ、ふわふわの玄関マットへと足を下ろした。




ひ、広い。玄関から廊下から何から何まで広すぎる。



お家賃がいくらなのか物凄く気になる…。




「………いつまで突っ立っているつもりだ」



「っ、は、はいっ!!」



辺りをキョロキョロと見回しているといつまでたっても来ない私に痺れを切らしたのか、さっきのドアを開けてくれた男の人が壁に寄りかかりながら腕組みをしてこちらを睨んでいた。




「すいません、あの、百瀬亜弥さんはご在宅でしょうか……?」




「あ?」



「いや、あの、私、久世菜穂子の娘の久世彩羽と申しまして…今日から百瀬さんにお世話になることになってるんですけど、あの、もしかして百瀬さんの彼氏さんですか?」




色々考えた結果、私の中でこの不機嫌男は百瀬さんの彼氏ということになった。




百瀬さんはコンビニかどこかへ出かけていて、彼氏であるこの人が留守を預かった。うん、きっとそう。



そう思って聞いた私を見て、目の前の彼はまた更にぐっと眉間にしわを集めた。




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