あなたと私の関係
やっとの思いで絞り出した声は、やっぱり少し震えた。
私の問いに答えるのも面倒なのか、チッと小さな舌打ちだけがそこに残されて。
「リビング入って右の扉。好きに使え」
否定しないということは、そういうこと。
私は同居1日目に見事に地雷を踏んだらしい。
くるりと背を向けてまたリビングの奥へと消えていく彼……もとい、百瀬さん。
………お母さんの、大馬鹿。
お母さんは、年頃の女の子を1人で留守番させるより、見知らぬ男の人と同居させる方が安全だと言うんですか。
知り合いだがなんだか知らないけど、1人の方が絶対マシ!!
しかもめちゃくちゃ感じ悪いし、いや、女の人と間違えたのは私が悪いけど、でも!!!
……なんて文句言ってもしょうがないか。
当分、ここ以外に帰る家もないんだし。