あなたと私の関係
柏木くんが腰掛けていた椅子にどかっと腰を下ろした雨宮さんは、苛立った様子で髪をかきあげる。
「私、浮かれてなんか…」
「いいや、浮かれてるな。ヘラヘラしてただろう。そういうどっちつかずな態度だからつけ込まれるんだ」
「そ、そんなこと言われたって…」
何なの、もう。
浮かれてるとかヘラヘラしてるとか、そんなつもりないのに。
どうしてそんなに怒るのか分かんないよ。
「……私、そんなに子供っぽいですか」
「"ぽい"じゃない。立派な子供だろう。危なっかしくて放っておけん」
喜んでいいのか、悪いのか。
ううん。これは絶対、喜んじゃいけないやつだ。
「本当に、お父さんみたいですね?」
「っ、誰が!」
ぐぐっと雨宮さんの眉間にシワがよったかと思えば、ぎろりと睨みつけられて無意識に肩が跳ねる。