あなたと私の関係
「………お前」
「う、わぁ!?」
いつの間にか部屋のドアが開いていて、背後には百瀬さん。
「ちょっと、ノックくらいしてください……ってなんですか」
「ファンか、お前」
「え?あぁ、これは友達が…」
百瀬さんは私の隣にしゃがみこみ、パラパラとつまらなさそうに雨宮綾が表紙の雑誌をめくりだす。
「…なるほどな」
「はい?」
「菜穂子の頼みだから聞いてやったけど、そういうことか」
百瀬さんはうんざりだ、と言わんばかりの深いため息をついたかと思えば、顔の左半分を隠していた前髪をグイッとかきあげ、私を見た。
「ほら、これで満足か?」
「っ…!?」
百瀬さんは、雨宮綾に似ていると思った。
雰囲気が、切れ長の目が、背丈が、スタイルが。
でもそれは違った。
似ているんじゃない。
似ているなんてもんじゃ、なかった。