あなたと私の関係
「……父は、いません」
「あぁ、離婚かなにかか。よくある話だろう。それくらいで同情してもらおうったってな…」
「私が中学に上がってすぐに亡くなりました」
「…は?」
「なので今、国内には頼れる人がいません。でも、母に連絡して相談してみます。すみませんでした」
私は再びスクバに荷物を押し込み、部屋を出た。
あーぁ、上手くいかないなぁ。
玄関を出て、再び長い廊下を歩き、エレベーターでエントランスホールに出て。
入る時はあんなに開かなかった自動ドアは内側からならすんなりあいて、あっという間に外に出た。
……ファンなのは私じゃなくて美月だってば。
勘違いしないでよね、自惚れないでよね。ばかやろー。