あなたと私の関係
「お呼びじゃないのはどっちかよく考えるんだな。さっさと消えろ」
「…っ、んだよ!」
雨宮さんのあまりの素早さに驚いたのか、金髪男は雨宮さんの手を振り払うとそのままどこかへ消えていった。
「…こ、こわかった…」
街灯のほとんどない路地で、力なくその場にへたり込む私。
「制服でこんな時間に出歩くやつがあるか。当然の報いだ、この不良娘」
「な…っ!元はと言えば雨宮さんが」
「うるさい。さっさと帰るぞ」
「えっ、ちょっと、荷物!」
雨宮さんは私のキャリーバッグとスクバを手に取ると、そのままくるりと背を向けて来た道を戻っていく。
「車、路駐してんだ。こんなことで駐禁切られたらたまらん」
「……もしかして、探してくれてたんですか」
「だったらなんだ。俺の貴重な1日オフの日を潰して探してやったことに対して礼でもしてくれるのか」
「…………申し訳ありません」
「もういい。分かったら、さっさと乗れ」