あなたと私の関係
「難しい問題、スラスラ答えてて、すごかったです」
『ああいうのには台本があるんだ。大したことじゃない』
「でも、その台本を覚えてちゃんとやれるのは、すごい事だと思います!」
『……そうか』
電話の向こう側で、少し声が優しくなったような気がした。
驚いたような、拍子抜けしたような、そんな声。
「お風呂、沸かして待ってますね」
『あぁ』
電話を切って、お風呂を洗ってお湯を張って。
なんだか少し楽しい。私、もしかしたら家政婦向いてるかも。
なんてるんるんしながらおかずを温め直している時、ガチャリと玄関の扉が開いた音がした。