あなたと私の関係
03 魔法使いの雨宮さん
その日、私は夢を見た。
ゆらゆら、ふわふわ
まるで空を飛んでいるような、雲の上にいるような感覚の中で、聞こえてくるのは雨宮さんの声。
「…………から、もう大丈夫だと言っている。すぐ行くから、待ってろ」
誰かと電話してるのかな。昨日は少し掠れてた声が治ってる。よかった。
夢から覚めても、治ってるといいなぁ。
「…………ん、」
そしてふわふわが終わったと思ったら、次は腰が柔らかいものに沈む感覚。
あれ、どうしよう、今度は海?沈んじゃう?
でも不思議と怖くない。肩も背中も足も全部を包むような優しい感じ。
今日の夢は忙しいなぁと思ったら、遠くの方でバタンと音がして。
「………あ、れ」
ゆっくりと目を開けると、そこはベッドの上だった。
せっかく気持ちよく寝てたのに…ってそうじゃなくて。
ごろりと寝返りを打った私は、ふと違和感に気付く。
……私、昨日ここで寝てない。