あなたと私の関係
そう。
昨日は雨宮さんが寝た後もなんだか心配で、汗を拭いたり冷えピタを変えたりと勝手に世話を焼いた私はそのままそこで寝落ちした。
少しだけ仮眠しようとベッドの隅っこに伏せった記憶が最後のはずなのに、今目を覚ましたら自分の部屋のベッドの上。
あれ、なんで?おかしいな。
こんなこと初めてで、記憶を辿りながら起き上がり首を傾げるも、全く思い出せない。
いつの間にこっちの部屋に来たんだろう。
寝る前のこと覚えていないなんて初めて事で、しばらくベッドの上で正座をしてかんがえたけど結局わからず。
「あ、雨宮さんに聞いたら分かるかも」
はっとひらめいた私は目撃者を求めてリビングを通り雨宮さんの寝室へ。
しかしベッドは空っぽで、人の気配すらない。
まだ朝の6時だっていうのに、もうお仕事に行っちゃったんだ。
「…一言くらい、声かけて行ってくれてもいいのに」
普段必要最低限の会話しかしない分、挨拶くらいしてくれても罰は当たらないと思うけどなぁ、もう。
にしても、これでは私の謎が解けないままだ。
自分の足で歩いた記憶が無いなら、誰かに運ばれた、とか?
いや、誰かって誰よ。
だってこの家には私と雨宮さんしか…
「雨宮さん、しか」
いない、のに。