あなたと私の関係




そして、放課後。




「失礼しまーす…」





体育館の重たい扉を開けるも、私の声はバレー部やバスケ部の掛け声でかき消されてしまう。




舞台上集合って言ってたけど、一番奥だし。というか誰もいないし。




…もしかして、からかわれた、とか。




不安に思いながらも、一応指定されたとおり壇上を目指すと、突然そこだけ真っ暗になってしまって。




て、停電!?




でも他はついてるし、舞台だけなんて…





一人でキョロキョロしていると、暗転した舞台袖から誰かが出てきて、目を凝らすとその人はさっき私がぶつかったあの人で。



そしてそれに合わせてスポットライトが灯され、私はハッとした。





あの人、見覚えがあると思っていたけど、思い出した。






「演劇部の、部長さんだ」




4月。



部活動紹介で体育館に集められた私たち1年生を魅了したのは、他の誰でもないこの人だった。




その時の演目は確かオリジナルで、部長であるあの人が主役的な立ち位置で演劇部に入って青春しようみたいなお話だったと思うけど、それがまあかっこよくて。




まるで王子様みたいだって、周りの子が騒いでたっけ。





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