あなたと私の関係
「ただ今帰りまし」
「遅い」
リビングに顔を出すと、もちろん不機嫌モード全開の雨宮さんに睨まれる。
「こんな時間まで何やってた。連絡を入れていればいいという問題でもないぞ」
「すみませんすみません!ちょっと部活に参加しておりまして…!」
「そんなものいつ始めたんだ」
「き、今日からです」
「あぁ?」
私が答える事に深くなる眉間のシワ。
腕組みをしたまま歩み寄られ、ついに背中が壁についてしまい逃げ場ゼロ。
「本当にごめんなさい。お風呂とかご飯とか遅くなっちゃって…」
「違う。そんなことはやろうと思えば自分で出来る」
「そ、それもそうですね」
「俺はそんなことを気にしているんじゃない。最近は日も短くなってきたし、こんな時間に一人で帰ってくるのは危ないだろう」
「え」
「終わったら、もう1本くらい連絡を入れろ。メールでも電話でも、都合が付けば迎えにくらいいく」
まさかそんな過保護なお父さんみたいなことを言われるとは思っていなくて。
「お前は一人にしておくと危なっかしいからな。もう少し自覚を持って…って、何を笑っている」
「いえ、なにも」
だって、おかしくて。
初日は出ていけだのうんざりだのさんざん言ってた人が、約1ヶ月でこんなことを言い出すんだもん。
嬉しくて、おかしくて、変な感じ。