あなたと私の関係
あまりにも大袈裟に驚くものだから椅子がガタン、と音を立てる。
「演劇とは少し違うが、俺も役者の端くれだ。多少は役に立つかもしれん」
「そんな!!雨宮さん明日も早いですし貴重な時間を割いていただくわけには!!」
「なんだ、俺じゃ不満か」
「違うんです!なんと言いますか、恐れ多いというか…」
「ひとつ屋根の下で暮らしてるくせに何を今更。ほら、さっさと食ってさっさと始めるぞ」
うむ。スープもサラダもうまい。
ささっとかきこんだ俺は缶ビール片手に小娘が食い終わるのを待つ。
まるでリスみたいに頬いっぱいにオムライスを頬張る姿がやけに笑えたが、当の本人は急いで食べているせいか気付いていないらしい。
「すみません、お待たせしました」
「うむ」
食べ終わると、台本を片手に席に戻ってきた。
「…未亡人とはまたませた脚本だな」
一通り目を通すと、高校生にしては大人びた内容で少し面白い。
「恥ずかしながら私は恋愛経験もないので本当に悪戦苦闘してまして」
「そんなものは関係ない」
「え?」
「一つ聞くが、お前は自分が好きか?」