あなたと私の関係
「"じゃあ、俺の目を見て"」
「っ、ひゃ」
「"今は、俺のことだけを考えて"」
ソファで隣合って座っていた小娘を引き寄せる。
「"忘れるくらいに、俺を好きになって"」
すきになって、それで。
俺だけに尻尾を振っていればいい。
そうしたら、安心というものだ。
「"…あの人が、悲しみます"」
おずおずと、俺を見上げるビー玉。
「"サチが幸せになることを悲しむ男なんて放っておけばいい"」
柔らかい頬に手を添えて、言葉を紡ぐ。
「"……幸せに、してくれますか?"」
……さっきまでの棒読みはどうした、小娘。
頬を赤らめて、瞳を潤ませて、まっすぐに俺を見つめる様は高校生には見えない。
「"愛してるよ。…これだけじゃ、不満?"」
「"…いえ。"」
本当に、高校生がやるにしてはませた脚本だ。
このまま唇を重ねて、痛いくらい抱きしめて。
思わず俺のものにしたいと思わせるくらいに、ませた脚本だ。