あなたのことは絶対に好きになれない！

「男ってさー、結局女のことは顔で選んでるんだと思うんだよね。
私ら以外の二人はブスじゃないけど可愛くはないし、ライバルとなるのはあなただけかなーと思ったのよ。
だからさ、そういう風に言ってみてよ。そうしたら男は絶対に引くじゃん」


な……
なんて勝手なことを‼︎


この人、吉山さんの友達でしょ⁉︎ 本人のいないところで可愛くない発言するとか……。

それに、何でこの人がオウスケくんとくっつくために、私が自分の評価を下げなきゃいけないの⁉︎


あれ……私、オウスケくんと付き合いたい訳じゃないし、寧ろ別れたいんだから、彼にとっての私の評価を下げるくらい良くない？


……でもなんか嫌だ。



「そういうことはちょっと……」

やんわりと否定し、私は個室に戻ろうとする。

が、ドアノブに手を掛けた瞬間、逆側の腕をガシッと朝比奈さんに強く掴まれる。


「なんなの⁉︎ あなた私より年下でしょ⁉︎ 言うこと聞きなさいよ！」


え、えぇえ⁉︎ どれだけ自分勝手なのこの人ー⁉︎


こんなお願い絶対に聞きたくないけど……首を縦に振らないと腕を開放してくれなさそうな雰囲気だ……どうしよう……。


すると、その時だった。


突然、外側からトイレの戸が開いた。


反射的にそちらへ目を向けて驚いた。

そこにいたのはオウスケくんだったから。

って、ここ女子トイレなんですけど⁉︎