あなたのことは絶対に好きになれない!
「金本さんがなかなか戻ってこないから、服の染み大丈夫かなって心配になって。
そしたら大きな声が聞こえてきたから、つい」


オウスケくんは王子様モードの笑顔で私たちにそう言った。

すると朝比奈さんは、さっきまでの怒声よりもワントーン高い声で、身体を若干くねらせながら、


「全然大丈夫ですぅー。大きな声っていうのは気のせいじゃないかなー?」


と言う。
なにその猫撫で声……。



更に。


「久美香ちゃんがね、〝私が一番可愛い〟って言うから、〝そうだね!〟って話してたんですー」


え……えぇええ⁉︎
まさかの朝比奈さん自ら私の評価をおとしてきたー‼︎


ちょ、どうしよう⁉︎
オウスケくん、この発言信じる⁉︎


信じないでーー。

いっそ嫌われて彼から離れたい、ついこの間までそのくらいに思っていたはずなのに、今は不思議と、彼に嫌われたくない、誤解しないでほしいと強く願っている自分がいた。


すると……。




「そうだね。今日の女性陣の中で、金本さんが一番可愛い。俺もそう思う」



……え?
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