桐谷高校殺人投票
「なんで……?」


「さっきの映像はたしかに驚いたけど、真奈美の気持ちは本物だから」


「そうやって自分だけ正当化?」


大和の言葉を聞き終えるより先に彩がそう言った。


彩は鋭い視線を大和へ向けている。


「なんだって?」


「今の映像だけなら自分が殺す側で選ばれる。だから、自分は怨んでないってアピールをしてるんでしょ?」


彩の言葉に大和が目を見開いた。


「それは卑怯だぞ」


晴哉が言う。


「違う! 俺は、本当に……」


「今更どんなことを言ったとしても、もう投票で2人が選ばれることは決まってるんだよ」


彩が言う。


真奈美が再び表情をゆがめた。
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