桐谷高校殺人投票
「大和は色んな子から好意を持たれてるけど、それって大和が誰かれ問わず優しくしてるから、勘違いするんだよ?」


そう言ったのは里子だった。
「ちょっと、里子!?」


あたしは慌てて里子を止めようとした。


けれど、里子はジッと大和を睨み付けている。


「あたしだって、大和のことが好きだった! だけど優衣がいたから、相手が優衣だったから諦めたんだよ!!」


泣いているような、震えた声で里子がそう言ったのだ。


あたしは唖然として里子を見つめた。


幼い頃からずっと一緒にいて、一番仲のよかった里子。


それなのに、あたしは里子の気持ちになに一つ気が付けていなかったのだ。
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