桐谷高校殺人投票
「……大和を好きだったのはもう随分前のことだけどね。今の真奈美を見てて思い出しちゃった」


里子はそう言い、切なそうにほほ笑んだ。


「もういいだろ。投票相手は決まってるようなもんだろ」


晴哉がため息交じりにそう言った。


「殺す側が大和で、殺される側が真奈美でいいの?」


彩が聞く。


「そりゃそういうことになるだろ?」


「元々、大和がしっかりしてればこんなことにはならなかった」


静かな声でそう言ったのは梨央だった。


あたしは驚いて梨央を見る。


「大和が鈍感で、バカなのが一番悪い」


梨央はそう言い、大和を睨み付けた。


普段から異性に暴力を受けていたからか、その鋭い視線にみんな押し黙ってしまった。
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