桐谷高校殺人投票
「助かる? もうクラスの半分も死んだのによく言えるな!?」


晴哉に怒鳴られてあたしはグッと押し黙ってしまった。


残っている生徒はたった半分。


先生だって、もう死んでいるようなものだった。


「そんな言い方しないでよ!」


そう叫んだのは里子だった。


里子は涙でグチャグチャになりながらも、必死で生きようとしているように見えた。


「そうだよ晴哉。あたしたちはまだ生きてる。生きてる生徒が死のうとしてどうするの?」


梨央がゆっくりと、諭すようにそう言った。


晴哉は顔を歪めたままうつむいた。


本当は晴哉だって理解しているんだ。


生き残りたい。


生き残らなきゃいけないと。


だけど、この状況には限界が来ているのだ。


「少し、気分転換をした方がいい。顔洗ってこいよ」


大和がそう言い、晴哉の背中を押したのだった。
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