桐谷高校殺人投票
悠の言葉に画面上の梨央が青ざめた。


「できないよ……」


震える声で梨央は言う。


「俺の言う事が聞けねぇか?」


途端に悠の声色が変わった。


「だって……お金を盗るなんて、そんなこと……!」


梨央は震えながらも必死で抵抗していた。


「盗るんじゃない。借りるんだ」


悠がニヤリと口元を歪めてそう言った。


それでも梨央は首を縦には振らなかった。


当然だ。


クラスメートからお金を盗るなんてできるハズがない。


「お前が裕司から金を借りるんだ。わかったか?」


悠が梨央に近づいてそう言った。
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