桐谷高校殺人投票
そんなことを考えてしまう自分が最低だった。


いくら極限状態でも、クラスメートの生死を決める映像が見たいなんて……。


「悪いけど、あたしは先に投票しちゃったから」


彩が申し訳なさそうにそう言った。


「嘘だろ!?」


裕司が目を見開いてそう言った。


「本当だよ。投票が終る前に梨央死んだってことは、その死はカウントされないと思ったから」


彩は淡々としている。


「誰に入れたんだよ」


「あんたに入れた」


彩は迷うことなく、裕司を指さした。


裕司の顔が見る見る内に赤く染まっていく。


「なんで俺の名前なんだよ!」


「あの映像を見たからに決まってるでしょ!? あんただって今まであの映像で投票してきたんでしょ!」
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