桐谷高校殺人投票
着替えた体操着はまた血でぬれてしまった。


けれど、もう着替えがない。


「優衣、あたしの体操着に着替える?」


里子が気にして声をかけてくれた。


「ううん大丈夫だよ」


左右に首を振り、やんわりと断った。


雨はさっきよりも更に弱まっている気がする。


この調子で行けば、次の投票までに雨は止むかもしれない。


淡い期待で胸が高鳴る。


天気予報も、時には外れる時があるんだ。


「そんなことより、話し合いでしょ」


そう言ったのは彩だった。


彩もさっきから冷静な表情を崩さない。
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