桐谷高校殺人投票
「ちょっと、待って！」


窓際に座っていた鈴木真奈美（ｽｽﾞｷ　ﾏﾅﾐ）がすべての声をかき消すような声でそう言った。


思わず顔を顰めてしまいそうになるその声に、クラス中が静かになった。


真奈美は青い顔をして窓の下を見ている。


「なんだよ」


何も言わない真奈美にそう言い、裕司が窓際へと近づいた。


そして窓の外を見た瞬間、真奈美と同じそうに蒼白になったのだ。


今まで落ち着いていた様子だった裕司が意味のわからない言葉を繰り返す。


あたしたちは慌てて窓辺へと急いだ。


窓の真下には先生の死体があるから見たくないと思っていたのだが……勇気を出して視線を向けると、そこには先生の遺体がなくなっていた。


代わりに、ヨロヨロと危なっかしい足取りで校舎へと歩いてくる先生の姿があったのだ。


「先生、生きてたんだ！」


誰かが嬉しそうな声でそう言った。
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