桐谷高校殺人投票
あたしたち3人は投票をすると、教室の後方で2人の様子を見守った。


周囲からやめるように何度言っても、全く聞こえていない様子だ。


椅子の足がぶつかり合い、激しい音が鳴る。


「お前が死ぬべきだったんだ!」


「死ぬのはあんたでしょ!」


そんな罵声が飛び交う中、晴哉の手がすべり椅子が床に落下した。


彩はそれを見逃さなかった。


体の正面ががら空きになった晴哉めがけて椅子を振りまわす。


椅子の足は晴哉の横腹に当たり、晴哉はそのまま横倒しに倒れた。


「ほらね! 次に死ぬのはあんただってば!」


彩はそう言い、笑いながら晴哉へ向けて椅子を振り下ろし続けた。


晴哉の顔は徐々に血に染まり、腫れ上がって行く。


晴哉は動きを止めてグッタリと横たわるだけになっていたが、彩は手を止めなかった。


まるで壊れたカラクリ人形のように、同じ動作を繰り返す。
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