桐谷高校殺人投票
そして、最後の投票が終わった。


「さて、これで全員分がそろったな」


先生が教卓の前に立ち、箱を揺さぶって中身を確認した。


裕司が席を立とうとした時、先生が「ちょっと待て」と、裕司を静止した。


「次は平松君にお願いしよう」


先生の言葉に晴哉がサッと青ざめた。


いつものお調子者の晴哉はすっかり鳴りを潜めている。


「俺……ですか?」


「そうだよ。みんな、投票するだけして知らん顔じゃつまらないだろう? 投票結果を書き出して行く作業くらい、手伝わないとなぁ」


先生にそう言われて、青ざめている晴哉は席を立った。


代わりに裕司が椅子に戻った。


「じゃあ、箱を空けて用紙を取り出して」


先生に言われる通り、晴哉が動く。
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