桐谷高校殺人投票
1つ1つ用紙を確認しながら黒板に向かった。


最初に出た名前は悠のものだった。


梨央がそれを見た瞬間、すすり泣きの声をあげた。


悠はジッと黒板を睨み付けている。


続けて2枚3枚と確認作業が続いていく。


悠への投票が立て続けに増えて行く。


それを見ながら、安堵している自分がいた。


あたしの名前はまだ1度も出て来ていない。


最後の1枚になったとき、晴哉が視線を悠へ向けた。


悠はいびつに歪んだ笑顔を浮かべる。


晴哉が黒板へと向かい、自分の名前を書いて票が1票入っていたことを知らせた。
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