桐谷高校殺人投票
「違う! あたしは嫌だって言ったのに、星夜が無理やり!」


「はぁ!? なに言ってんだよお前! 真奈美がなかなかヤラせてくれないから、自分がって言ってたじゃねぇかよ!」


星夜が机を叩いて反論する。


「違う! 同意なんてしてない! ねぇ、みんな信じて!!」


「彩ってもともとそういう所あったよね。誰かのものが欲しくなって、横取りして、それなのにすぐに飽きてゴミ箱に捨てちゃうの!!」


サツキが叫んだ。


この島には学校が1つずつしかない。


嫌でもクラスメートのことに詳しくなってしまう。


「あたしも、彩のそう言う所を沢山みてきたよ」


あたしは静かな声でそう言った。


彩は子供の頃からそうだった。


人よりも可愛くて、大人からもチヤホヤされていたから、欲しい物はなんでも手に入ると思い込んでいたのだ。


「あたしが大切にしてたウサギのぬいぐるみ。彩が取って行ったよね」
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