桐谷高校殺人投票
「山中、質問かぁ?」


「投票は1人につき1人の名前しか書いちゃいけないんですか?」


さっきサツキと殺し合いをしたとは思えない、ハキハキとした声だった。


梨央はまだ半分呆然としていると言うのに、彩は大違いだ。


「原則としてはそうなってるぞぉ。だけど……投票でキッチリ半分に別れた場合は、ジャンケンでどちらを殺すか決めるか……あるいは2人とも殺してもいいかもしれないなぁ」


先生がニタリと笑ってそういった。


星夜と和、2人とも殺すことができるということだ。


あたしはゴクリと唾を飲みこんだ。


自分の写真を勝手に悪用されていたかと思うと、腸が煮えくりかえりそうになる。


顔写真だけでも名前や住所を特定される危険性だってあるはずだ。


「そらなら星夜と和に1票ずつ投票しよう」


彩がみんなにそう呼びかけた。
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