キミと初恋。
「あっ、雨……」

「……止んだな」


雲間から差し込む一筋の光。まだまだ厚い雲が空を覆うけど、その隙間から光が地上へと降り注がれている。


「傘無くても、もう大丈夫そうですね。これ、ありがとうございました」

「だな。こいつはまた置いて帰るか」


そう言って門を出る手前のピロティーホールで傘を先輩へと返すと、先輩はそれを持って直ぐそばにある傘立てに立てかけた。


「よし、コンビニ行くぞ」


それはアイスを買いに行くぞって意味ですよね。

なんて確認はせず、私は先輩を追いかけて校舎を出た。


「けど、アイス食うにはちょっと肌寒くないか?」

「実は私もちょっと思ってます」


なにせさっきまで雨が降っていたし、小雨だったとはいえそこそこ長い間雨に打たれていたから……。

私は先輩に借りたタオルを首に巻き、ゴミ袋に入れたスクールバッグを肩から担いだ。

黒い袋を担ぐサンタクロースのイメージで。

季節も逆だけど。


「まぁ、とりあえずコンビニ寄ってくか。俺なんか食いたいし」

「そうですね。ちょうど駅までの帰り道にありますしね」


気分を変えたい。そう思って、私達はコンビニへと向かった。


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