キミと初恋。
別れを切り出したのはお姉ちゃんからだった。

モデルにスカウトされてすぐは興味なさそうだったのに、やり始めてみるとハマりだしたお姉ちゃんは本気でモデルの仕事をやっていきたいって思い始めて、仕事のために上京した。

それに合わせて、高校も芸能科に編入した。

だからこそ、先輩との別れの決断は辛かったと思う。

お姉ちゃんは多くを語らないけど、私はお姉ちゃんが先輩と付き合い出した頃を知ってる。


お姉ちゃんが中学生だった頃、隣町の塾に通ってた時に同じ塾を利用していた先輩と出会って、付き合う事になった。

お姉ちゃんから彼氏ができたって報告受けた時、せがんで見せてもらった写真。そこに映るお姉ちゃんの彼氏の姿を見た時、あの衝撃だけは今でも忘れる事が出来ない。

ケータイ画面に映るお姉ちゃんの彼氏は、私がちょっと良いなって思ってた花屋のお兄さんだった。

以前、私に見せてくれたあの優しい笑顔がそこにはあった。

その時のショックな気持ちから私は初めてお兄さんへの憧れは、恋だったんだと気がついた。


小学生の頃の、私の淡い初恋だった。子供だったけど、あれは恋だった。


< 108 / 204 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop