キミと初恋。
「あっれー、昨日の子じゃないんだ?」


そう言って嫌みたらしい言い方をしたのは、二つ上の先輩。おとつい青井先輩の隣に座っていた元彼女だ。

散々昨日先輩に文句を言っていたにもかかわらず、またもややって来た。


「はっ、ほんとすごいよね。青井ってばマジで彼女を毎日のようにとっかえひっかえじゃん」


そんな毒を吐き捨てながら、元カノは青井先輩に目を向ける。けど、当人は彼女には目もくれず、黙々とご飯を食べている。

私は私で、どうしたものかと思いつつ、とりあえず勇気を出して、口を挟んだ。


「……あの、彼女ではありませんので」

「はぁ?」


目の前の彼女はこれでもかと言わんばかりに顔を歪ませた。

彼女は二つも上の先輩だし、性格もキツそう。現にこうも嫌味を言ってくるくらいだ。

だけど、それでも私は否定したい。私は決して彼女ではないのだから。


青井先輩の元カノは私に侮蔑の眼差しを向けながら、再び毒でも吐くかのようにこう言った。


「じゃあなんで隣に座ってんのよ」


食堂での青井先輩の隣の席は、誰もが知ってる特別席。

先輩と付き合ってる証であり、先輩の彼女の証でもある。


……ただし私を除く、だけど。


こうなったことの発端は数時間前、青井先輩に提案された内容だった。


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