キミと初恋。
姉と比べて、私は見た目も全然綺麗じゃないし、お世辞にも可愛いとは言えない。
現に私がまだ小学生の時、姉と一緒に買い物に出かけてた先で姉だけがモデルにスカウトされ、今では東京で売れっ子だ。
「かすみ、なんて平凡だし花にしたって地味だし。だから私、この名前ずっと好きじゃなかったんですよね」
だけどその時言われた先輩の言葉に、私は救われた気がしたんだ。
「かすみ草って地味とか気軽に言うけどな、ブーケ作る時あれがないと纏めるの結構大変なんだぞ」
……一瞬デジャヴかと思った。
言葉尻は違ってもあの時と同じだ。先輩は真っ直ぐ私を見て、そう言った。そう、あの時と同じ。
もしかして、思い出してくれたのだろうか。そう思って口を開いた瞬間、先輩はさらに言葉を繋げた。
「ーーって、よくうちの裏に住むばーちゃんに言ってたんだよな」
ばーちゃん……?
「昔からよく花を買いに来るばーちゃんなんだけど、お前と同じかすみって名前なんだ。かすみなんて地味な名前のせいで婚期は遅れただの、戦争に行ったじーちゃんが帰ってこなかっただの、もうとにかく良くなかった出来事全てを自分の名前のせいにするんだよなぁ」
先輩の家の裏に住むおばあさんと同じ名前……失礼だけど、やっぱり地味だし古臭いよね……。
そんな風にちょっぴり落ち込んでる私をよそに、先輩は嬉しそうに笑ってる。
きっとそのおばあさんの事が好きなんだと思う。そう思わせる何かが、その優しい笑みにはあった。
現に私がまだ小学生の時、姉と一緒に買い物に出かけてた先で姉だけがモデルにスカウトされ、今では東京で売れっ子だ。
「かすみ、なんて平凡だし花にしたって地味だし。だから私、この名前ずっと好きじゃなかったんですよね」
だけどその時言われた先輩の言葉に、私は救われた気がしたんだ。
「かすみ草って地味とか気軽に言うけどな、ブーケ作る時あれがないと纏めるの結構大変なんだぞ」
……一瞬デジャヴかと思った。
言葉尻は違ってもあの時と同じだ。先輩は真っ直ぐ私を見て、そう言った。そう、あの時と同じ。
もしかして、思い出してくれたのだろうか。そう思って口を開いた瞬間、先輩はさらに言葉を繋げた。
「ーーって、よくうちの裏に住むばーちゃんに言ってたんだよな」
ばーちゃん……?
「昔からよく花を買いに来るばーちゃんなんだけど、お前と同じかすみって名前なんだ。かすみなんて地味な名前のせいで婚期は遅れただの、戦争に行ったじーちゃんが帰ってこなかっただの、もうとにかく良くなかった出来事全てを自分の名前のせいにするんだよなぁ」
先輩の家の裏に住むおばあさんと同じ名前……失礼だけど、やっぱり地味だし古臭いよね……。
そんな風にちょっぴり落ち込んでる私をよそに、先輩は嬉しそうに笑ってる。
きっとそのおばあさんの事が好きなんだと思う。そう思わせる何かが、その優しい笑みにはあった。