キミと初恋。
えーえー、先輩は気になんてしないから自由でいいでしょうね。

でも私はさっきみたいに不意の頭くしゃくしゃされたりすると、気持ちの制御が難しくなるのでね。一定の距離は必要なんです。

そう思って、私は向かいの席に移動してポテトを頬張った。


「なぁ、やっぱお前、俺のこと嫌いだよな」


ビックマックなんてかさのあるバーガーも綺麗に食べていく先輩。

意外と口大きいんだな、なんて向かいに座ることで新たな発見をしていたところだったからか、そんな風に言われるなんて思ってなかった。


「なに言ってんですか」


席移動したからかな?


「わざわざ距離取るだろ? まぁ、別にいいんだけどさ」


やっぱりその事だ。

先輩って、女子が次々寄ってくるのうんざりしてる節があったけど、これはあれか。理由は見た目や先輩の持つアビリティだけじゃなさそうだ。

隣にさらっと座って、こういう事をさらっと言ってしまうのはきっと無自覚でやってるんだね。

狙ってやってない分、女子はドキッとしてしまうものだから。


でも先輩、それはちょっと罪作り過ぎですよ。


< 55 / 204 >

この作品をシェア

pagetop