キミと初恋。
「あっ、それ私のナゲットですよ女たらしさん」

「おい、失礼なあだ名を勝手に命名するなよな」

「わかりやすくていいと思いますけど? そうすれば先輩の望み通り女の人も少しは寄ってこなくなるかもしれませんし?」

「そんな形は本望じゃない」


勝手な事ばかり言って……先輩は本当に子供みたいだ。


「私だってこんな役割すること自体、本望じゃないって分かってます?」

「だからこうして奢ってるだろ」

「これで足りると思います?」


そう言った瞬間、信じられないって顔をして、私がまだ食べかけているバーガー達を指差して言った。


「まだ足りないって言うのかよ? それはさすがに異常だぞ」


いやいや、失礼な。さすがにそんなに食べれませんから。


「そうじゃなくって、先輩の元カノやらファンの怖さは同じ女子にしか分からないものなのかもしれませんが、こんなご飯では到底太刀打ち出来ないほど、遥かにこれを上回る恐怖が私を待ってるんですよ」


どっかの政治家にでもなったつもりで、身振り手振りを大げさに動かし熱弁してみせた。

すると先輩はうーん、なんて唸りながら考え込んでしまった。


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