キミと初恋。
もしそうなったら、それはそれで私のせいでもあるわけで……。いや、大方の責任はやっぱり先輩だ。

その場しのぎの適当な嘘を言った先輩が一番悪いに決まってる。

けど、殴った私も私だからなぁ……。


『まぁ、今は友達という名の番犬もいる事だし、大丈夫か』

「誰よ、番犬って」

『かすみのことに決まってんじゃん。何かあったら守ってあげるのがかすみの役割なんでしょ?』


待て待て待て、責任がさらに重くなってる。私はこれ以上の厄介ごとには巻き込まれたくないんだから。


「私はあくまでも先輩の女友達としてお昼を一緒に食べるだけなんだからね。変な事言わないでよ」

『だってお昼奢ってもらうんじゃん? 報酬分は働かないとー』

「いやいや、食堂で先輩の隣に座ってみれば分かるから。そんな報酬は安すぎるってくらい視線痛いし、今日なんて元カノの先輩に絡まれた上に水ぶっかけられたし」

『あっ、それそれ、見てたよあたし。派手にやられてたじゃん。しししっ』


人の不幸で何笑ってんの。りょうちんは相変わらずだな……。


「とにかく、そーいうわけだから。私は自分の身を守る為にも、先輩とは取り決めを作ったんだ」


そう、私達はただマックを頬張っていた訳じゃない。今後の事についてちゃんと話し合っていたんだ。


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