キミと初恋。
世の中とは不平等だ。

同じ親から生まれたというのに、こうも差が生まれるものなのか……なんて子供の頃はよく思ってた。

姉がモデルの仕事をするようになったキッカケは私がまだ小学生の頃、姉が中学1年生だった時、この辺りで一番大きなショッピングモールに買い物している最中に芸能事務所の方にスカウトされた。

姉の隣に私もいたにも関わらず、声がかかったのは姉だけだった。

しかし、当時姉はピアノが大好きで何よりそっちに集中していた為、大した活動もせずにいたけど、高校に入ってからは本格的にモデルの仕事に楽しさを見いだしたらしく、東京へ一人乗り込んで行った。


綺麗で優しくて頭だっていい。器量や愛嬌もある姉は、自分とは違いすぎて妬むどころか憧れでしかなかった。

年末年始も忙しくて帰郷しなかった姉に会うのはかなり久しぶりだから、私は俄然元気が湧いてくる。

外は天気が悪いし頭痛はするし、昨日の事で悩ましい事はたくさんあるのに、それらいっさいがっさいも吹っ飛ぶほど、むふむふとパワーが湧いてくるのを感じて、私はトーストを頬張りコーヒーでそれを流し込んだ。


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