キミと初恋。
「いや、秘孔とか知らないし」
「でも斉藤さんって空手やってたんでしょ?」
「いや、そんなの習うわけないでしょ」
空手やってたからそういうのも知ってるんでしょ、的な流れになぜなるのか。あるわけない。
「じゃあさ、どーして先輩と友達になったの? その秘策を教えて欲しいんだけど」
「秘策……」
先輩を好きにならないこと。
……それが事実なんだけど。それを言ったところで納得してもらえるかも微妙な気がする。
どう言えば納得してもらえるのか。かと言って事実をありのまま言うわけにもいかないし。
低気圧からくる偏頭痛が徐々にひどくなってきている気さえし始めた時、私はめんどくさくなって口を開いた。
「空手……習えばいいのかも。先輩も空手に興味あったらしいし、一緒に組手したそうだから」
適当にも程がある。自分で言っといてなんだけど、なんだこの理由……。
明らかに小倉さんは疑ってる。けど、山下さんは目を爛々と輝かせて食いついた。
「えっ、そーなの⁈ 私も空手習ってみようかなー!」
あっ、それはちょっとどーかな。ヤバイかな。
わざわざ習いに行って違いましたってなるのは申し訳ないし、それこそ山下さんの恨みを買ってしまうんじゃないだろうか。
「い、いやー、分かんないよ! もしかしたらそれが理由かもって話だし、そんなに空手仲間欲しいのかと言うとそれも分かんないしねっ」
「そうだよ、やめなって。それにもし本当に空手が理由なんだったらなんで斉藤さん? 普通男子と手合わせしたいもんじゃないの?」
小倉さんは至って冷静だ。それに合わせて山下さんも「ふむ、そうか……」なんて考え込みだした。
「でも斉藤さんって空手やってたんでしょ?」
「いや、そんなの習うわけないでしょ」
空手やってたからそういうのも知ってるんでしょ、的な流れになぜなるのか。あるわけない。
「じゃあさ、どーして先輩と友達になったの? その秘策を教えて欲しいんだけど」
「秘策……」
先輩を好きにならないこと。
……それが事実なんだけど。それを言ったところで納得してもらえるかも微妙な気がする。
どう言えば納得してもらえるのか。かと言って事実をありのまま言うわけにもいかないし。
低気圧からくる偏頭痛が徐々にひどくなってきている気さえし始めた時、私はめんどくさくなって口を開いた。
「空手……習えばいいのかも。先輩も空手に興味あったらしいし、一緒に組手したそうだから」
適当にも程がある。自分で言っといてなんだけど、なんだこの理由……。
明らかに小倉さんは疑ってる。けど、山下さんは目を爛々と輝かせて食いついた。
「えっ、そーなの⁈ 私も空手習ってみようかなー!」
あっ、それはちょっとどーかな。ヤバイかな。
わざわざ習いに行って違いましたってなるのは申し訳ないし、それこそ山下さんの恨みを買ってしまうんじゃないだろうか。
「い、いやー、分かんないよ! もしかしたらそれが理由かもって話だし、そんなに空手仲間欲しいのかと言うとそれも分かんないしねっ」
「そうだよ、やめなって。それにもし本当に空手が理由なんだったらなんで斉藤さん? 普通男子と手合わせしたいもんじゃないの?」
小倉さんは至って冷静だ。それに合わせて山下さんも「ふむ、そうか……」なんて考え込みだした。