甘々王子に懐かれた!?


――――――




頑張ると決意して、早一週間。


なにか変化はあったかって?いいえ、全くありません。


そろそろ幸や瀬戸川先輩に何か言われるかもしれないなぁ。




「優茉ーっ、明日は体育祭だよ!楽しみだね」




「そうだね。楽しみだね、応援するの」




そう、明日は体育祭なのだ。


幸と私は、応援することだけが楽しみ。


だって、運動神経悪いもん。


だけど、イベント事が好きな私たちは、応援せることだけを楽しみにワクワクしているんだ。


明日くらい、先輩のことを忘れてもいいかな……。


ちゃんと、ちゃんと告白はするから!


クラスの皆も明日のことを楽しみにしているようで、いつもよりざわついている。


〝先輩って何色なのかな〟




「紅組、同じだよ」




「え!?……もれてた?」




「うん、バッチリ。というか、知らなかったの?」




呆れた、というように幸はため息をついた。




「頑張るって言っておきながら、全然先輩のこと知らないじゃない」




「だ、だって、やっぱりその日まであまり関わりたくないもん」




拒絶されるならば、その日だけでいい。


そう思って、先輩と関わることは極力避けている。




「しかも、リレー出るみたいよ?」




「そうなんだ……」




色別対抗リレー、という名のリレーがあって、この学校には紅と白の二色がある。


さすがに二人で走って競うのは嫌だろうという、学校側の配慮により、紅組二人と白組二人で走る。


一年生から四人、二年生から四人、三年生から四人、足の速い人が選ばれる。


選ばれたということは、先輩は速いんだ。
< 100 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop