甘々王子に懐かれた!?
ちょっと楽しみだな。
「ちゃんと見ておきなさいよー?」
「うん!」
――――――
「元気出しなよ、優茉。どこまで落ち込んでるの、落ち込みすぎ」
体育祭当日がやってきて、私は初めは浮かれていたのだが、最後の種目、色別対抗リレーを前にして気分がダダ下がり。
クラスで盛り上がって、私も応援することだけを必死に頑張って、周りが見えていなかったんだ。
セリカさんが、来ているということを。
先程、リレー選手に集合がかけられて、私は先輩を目で追いかけていたら、楽しそうに話すセリカさんの姿が目に入った。
そのときから私の気分は絶不調。
リレー選手はすでに登場していて、並んでいる。
なのに、私の気分は上がらない。
「ほらほら、もうすぐ始まる!応援するんでしょ!」
「あぁ……、うん」
先輩のこと、応援しなくちゃ。
先輩はアンカーで、アンカーは二週走る約束。
先輩が二回も私の前を走るんだよ?最高だよ。
まってまって、私、いつからこんなにゾッコンになっちゃったの!
こんな私見せられないよ、先輩に。