甘々王子に懐かれた!?
「ねぇ、私あっち行きたいよー」
「私も私も!ジュース入れるついでに、あそこの隣通ってく?」
「まだいっぱい残ってるじゃん!ちゃぽんちゃぽんになるよ」
なんと、先輩のクラス、三年C組もここの焼肉屋で打ち上げをしているのだ。
もちろん知らなかった。
ここについて、なんか沢山学生の人達がいるなぁと思ってみていたら、見慣れた顔を見つけてびっくりしたのだ。
女子たちは王子だ王子だと騒ぎ出し、私服姿の王子に胸を打たれていた。
そこに瀬戸川先輩も登場し、どっち派だとキャーキャー言っていた。
「優茉ー、話しかけに行かないの?」
隣に座っていた幸が、ジュースを片手に私に聞いてきた。
その答えはノーだということは分かっているだろうに。
「行けるわけないじゃん……」
「まぁ、そうね」
それ以上幸は言わなかった。
本当は、なんで私服できたんですかと言ってやりたい。
あーっ、もう!
先輩の私服姿を知っているのは、ごくごく少数だから、ちょっと優越感に浸っていたのに!
いっぱい、いっぱいお肉食べてやるー!