甘々王子に懐かれた!?
「優茉ちゃん、自転車できたよね?」
「は、はい……」
足を止めた場所は、私が自転車を止めた場所。
今日は私のクラスや先輩のクラスの人もたくさん来ているため、自転車の量は異常なくらい多い。
「じゃあ、俺と一緒にどっかに行こう」
自転車を探して、と言われるが、私は動かない。
いやいや、どうなってるの?
「あの、瀬戸川先輩どういうことですか?というか、私、お金払ってないんですけど……」
「後で説明するね。お金のほうは大丈夫だよ。俺が幸ちゃんに渡しておいたから、あとで俺に返してくれたらいいよ」
え、えええ……。
瀬戸川先輩の準備の良さに思わず絶句。
瀬戸川先輩は、そんな私を見てケラケラ笑い、早くと急かしてきた。
もういいや。瀬戸川先輩だし、なんか楽しそうだし。
「どこに行こうかな……。最近出来た喫茶店に行こう。そこのパフェが美味しいらしいんだ」
私、財布のお金、焼肉代払ったらほとんど無くなるんだけど!?
そんな私の事情を知らない瀬戸川先輩は、嬉しそうに行こうと言うものだから、否定出来ずについつい行ってしまうのは私の悪い癖だ。
――――――
「わーっ、大きい!」
お洒落な喫茶店につき、早速私たちはパフェを頼んだ。
お金の方は、瀬戸川先輩がパフェ代を払うと何度も言ってきたから心配はない。
申し訳ないけど、お肉、食べきれなかった分のお許しみたいなものね!
「パフェ見ての第一声がそれって。美味しそうとかじゃないの?」
私の感想にくすくす笑う瀬戸川先輩。
だって、大きいだもん!美味しそうなんだけど、大きいほうに興味が言ったんだもん。