甘々王子に懐かれた!?


【慎助side】




ムカつく。


俺は、一人、廊下を歩きながら怒っていた。


これまでずっと一緒にいて、何度も助けてもらって、口には出さないがいつもいつも感謝している人に対して、怒りを抑えられずにいた。


愁め……!


優茉ちゃんが先日、俺に告白してくれた。


夢なんじゃないかって、何度も思ったけれど、現実でちゃんと起きた出来事で。


あの、優茉ちゃんがだよ?


俺のこと散々嫌い嫌いって言っていたのに、俺のことを友達だと言ってからの 好きです だよ?


泣きたくなるくらい、嬉しかった。


きっと、いつの間にか優茉ちゃんのことを本当に好きになってて、心のどこかで優茉ちゃんの彼氏になることを願っていたんだと思う。


だから、泣きそうになったんだ。


でも、俺には彼女がいる。


脅されてなったのだとしても、彼女は彼女に違いない。


別れたい。けれど、別れたら芹香は何をやらかすかわからない。


芹香は過去に、俺に気づかれないように影で色々な人を傷つけてきた。


だから、本当に優茉ちゃんは傷つけられるかもしれない。


そう思うと、動けなくなるんだ。




「俺に追いつかれるって、どんだけゆっくり歩いてんの?」
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