甘々王子に懐かれた!?


「謎?謎って、なんかあったっけ」




謎なんてあったかなあ。


うーん、最近家の廊下でコケることが増えたことの謎?


でもこの話、幸にしたっけ?


うーん、と頭を捻っていると、馬鹿……と呆れられた。




「先輩のことだよ。優茉、あんた、なんで先輩のターゲットにされたのかあんなに不思議がったじゃない。解決したの?」




そう言われてハッとした。


最近色々ありすぎて、自分の感情で動いていたからすっかり忘れていた。


そうだそうだ。初めはストーカー行為ともいえることに腹を立て、なんで私なんだと怒っていたんだよ。


もう……、彼女になったんだし聞いてもいいよね。




「忘れてたわけね」




「あ、ありがとうございます……幸。今日、一緒に帰るから聞いてみる」




「そうしな。早く聞かないと、明日には忘れてそうだしね。今日が幸せすぎて〜とかで」




口元に手をあて、ニヤニヤと笑う幸はいいのか悪いのか分かんないよ!


怒んない怒んない、とニヤニヤした顔で止められるものだからさらに怒ると、ごめんって、と反省の色がみえない顔で謝られた。




――――――




「俺ってば幸せ者だなあ。優茉ちゃんの彼氏だなんて」




帰り道、隣で幸せに浸っている先輩を呆れ顔で見つつも、私の彼氏であることに喜んでくれているところは嬉しいから、複雑な心境で歩く。


き、聞かなくちゃ。




「せ、先輩?」




「ん?どうしたの、優茉ちゃん?」




「聞きたいことがあるんですけど……」
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