甘々王子に懐かれた!?
──────『えっ……と』
──────『あ!ちょっと、まって……っ!』
「次の日も、俺はその公園に行ったんだ。謝りたくて。会えるかどうか、確信なんてどこにもないのにね」
先輩のことだから、足が勝手に歩いたんだろうな。
後先考えずに行動するのは、先輩のいいところであり、悪いところでもある。
でも、私はそんな真っ直ぐで、自分の気持ちに嘘をつかない先輩が好きなんですよ。
「そしたら……、また、会えたんだよね」
──────『またあえたね』
──────『……あっ、あのっ、きのうはごめんなさい!ぼく、びっくりしちゃって』
──────『ううん、だいじょうぶ。わたしのほうこそごめんなさい。びっくりしちゃうよね……』
──────『ぼくがわるいんだよ!』
──────『わたしがわるいんだよ。……あの、きょうはあそんでくれる?』
差し出したその小さな手を、
小さな手が、ぎゅうっと握った。
──────『も、もちろん!』
「砂場で遊んだり、滑り台で遊んだりして、俺、その日ちょー楽しくて」
──────『こらぁ!慎助!何時だと思ってるの!』
──────『へっ……あ、おかあさん』
──────『……しんすけくん?しんすけくんってゆうの?』
──────『うん、そうだよ。ぼくのなまえは、はった しんすけ!』
──────『優茉!早く帰るようにって言ったでしょ!』
──────『わあ……っ、ママがおこってる……』
──────『……きみは……、ゆうまちゃん?』
──────『うんっ、あかさか ゆうまですっ!』
──────『『早くおりてきなさい!』』
「俺の母さんと、優茉ちゃんのお母さんが来たんだよ。怒っててさぁ。……そこで、俺と優茉のお母さんが初めて知り合ったんだ」
──────『あら、えっと……?』
──────『すみません。うちの娘がこんな遅くまで遊ばせてしまって……』
──────『そんなそんな!息子がすみません』
──────『息子さんのお名前、なんていうんですか?』
──────『慎助といいます。私たち、最近こちらに引っ越してきたものでして。慎助がこんなに笑って遊んでるの、久しぶりに見ました』
──────『へぇ、シンスケ君って、いい名前ですね。あ、そうなんですか?ここら辺、道が複雑だと思いませんか?もうちょっと安全にしてくれないと、怖いものですよね』
──────『そうですね、ビックリしました。事故に合わないか、心配になります。……そちらの娘さんのお名前、聞いてもよろしいですか?』
──────『優茉、です』