甘々王子に懐かれた!?
「俺も、優茉ちゃんもぐずぐずだったって」
それを聞いた時の様子を思い出しているのか、自分がぐずっていた時のことを思い出しているか。
ケラケラと笑った。
優茉ちゃんがぐずぐずだよ?可愛いよね、なんて、デレた顔で言ってくるもんだから、私は顔を逸らしてバカと言った。
──────『しんすけくん、どうだった?』
──────『ダメダメ。嫌って言ってばっかりよ。こんなこと、これまでなかったわ』
──────『優茉も。私のこと嫌いなんて、泣きながら言ってきたわ』
──────『ごめんね……』
──────『なんで理沙が謝るの?仕方のないことよ。……なにか、優茉としんすけくんにできること、ないかしら』
──────『そうねぇ……』
──────『うーん……』
──────『あっ、ねぇ、こういうのはどうかしら?次会えた時の目印になるように、この世でたった一つのペアストラップを作るの。店では売っていないような、不思議なストラップを』
──────『それ、いい!』
──────『また会えるようにって、私がゆうまちゃんにストラップを作って、明梨(優茉のお母さん)が慎助のストラップを作るの。どう?』
──────『素敵!すごい、すごいいいわ。よし、明日からやりましょう!』
──────『ええ。早くやらないとね』