甘々王子に懐かれた!?


「俺も、優茉ちゃんもぐずぐずだったって」




それを聞いた時の様子を思い出しているのか、自分がぐずっていた時のことを思い出しているか。


ケラケラと笑った。


優茉ちゃんがぐずぐずだよ?可愛いよね、なんて、デレた顔で言ってくるもんだから、私は顔を逸らしてバカと言った。




──────『しんすけくん、どうだった?』

──────『ダメダメ。嫌って言ってばっかりよ。こんなこと、これまでなかったわ』

──────『優茉も。私のこと嫌いなんて、泣きながら言ってきたわ』

──────『ごめんね……』

──────『なんで理沙が謝るの?仕方のないことよ。……なにか、優茉としんすけくんにできること、ないかしら』

──────『そうねぇ……』

──────『うーん……』

──────『あっ、ねぇ、こういうのはどうかしら?次会えた時の目印になるように、この世でたった一つのペアストラップを作るの。店では売っていないような、不思議なストラップを』

──────『それ、いい!』

──────『また会えるようにって、私がゆうまちゃんにストラップを作って、明梨(優茉のお母さん)が慎助のストラップを作るの。どう?』

──────『素敵!すごい、すごいいいわ。よし、明日からやりましょう!』

──────『ええ。早くやらないとね』
< 139 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop