甘々王子に懐かれた!?
――――――
「またぁ?もう、大丈夫なの?」
「紙が勿体ないったらありゃしないね」
そういう問題じゃないでしょ、と幸はため息を吐いた。
五人組がいじめようと決めた日から、一週間とちょっと。
ものすごい陰湿な方法で私はいじめられていた。
今、幸が「またぁ?」と言ったのは、私の靴箱に暴言が書かれた紙が置いてあることに対してだ。
その他にも、机の中に入っていたり、机の向きが反対だったり。
それを受ける張本人は、それを見て笑いを堪えるのに必死なのは秘密だ。
だって、ねぇ?初めて机の向きが反対になった時は、吹き出すかと思ったし。
「そろそろ、私たちも動こうよ。先生にチクってみたり?」
「そんなことしたくないよ。反撃しようかな」
「いや、やめてね?やめてね、優茉」
「やらないよー」
私は、アハハと笑う。実は、やってみたかったりするけど、したら幸にもこれ以上の迷惑をかけるし。
幸は、私がこのような行為にあっていることを、私から言わずとも理解した。
と言うのも、たまたま。そう、たまたま、私の机の中に借りていた本を返そうとしたら、今日のような紙を発見したらしい。
でも、あの時はたまたまなんかじゃなくて――――
「幸、あの時は本当にありがとうね」
「また!?もう、いいよ!」