甘々王子に懐かれた!?
「俺はそろそろ部活に行くとするよ」
「部活頑張ってくださいね」
「うん。優茉ちゃんは気をつけて帰るんだよ」
そう言って、じゃあ、と手をあげて帰る先輩を私は引き止めた。
「あの、瀬戸川先輩!先輩に、頼みたいことがあったらそのときは行くのでそんなに気に病まないでくださいとお伝えしていただけませんか?」
「了解。じゃあね」
あの先輩が悩んでいるなんて、到底信じられないけれど、幸と同じように怒ってくれる先輩はいい人だから。
笑っていてほしいから。
私なんかが重荷にはなりたくなかった。
本当に、ただそれだけ。
きっと、いや、絶対、先輩なんかは好きにならない。
私は自分に言い聞かせるように、私の心に言った――――。