甘々王子に懐かれた!?
ご対面します、俺
【慎助side】
ついにこの日がやってきた……!
このことで浮かれすぎて、これまでの授業は全く頭に入らなかった。
今日、優茉ちゃんの弟くんに会えるのだ。
しかも、優茉ちゃんからいつが空いているのかと聞いてきたのだ。
俺、生きてきた中で一番……じゃないな、二番目に嬉しい出来事だった。
嬉しすぎて、いつでも空いてるよと部活の日もあるのに言ってしまったくらい。
優茉ちゃんが冷たく俺の頭を冷静にさせてくれたけど。
弟くん、早く会いたいな。
もう、目の前に家あるんだけどさ。
嬉しすぎてか緊張してか、インターホンを押す手が震える。
『はーい』
「あ、八田慎助です」
『ちょっと待っててください』
インターホン越しに聞く優茉ちゃんの声は、いつもと違う。
新鮮すぎる……!
「優茉ちゃん!私服姿も可愛い!」
「うるさいです、ちょっと静かに。はい、とりあえず中に入ってください」
シンプルなデザインのTシャツにデニムのスカート。
可愛すぎるよ、優茉ちゃん。
お口は相変わらず冷たい……、でもそこも優茉ちゃんの魅力。
「弟、部屋にいるんですけど、部屋行きますか?」
「是非!」
威勢よく返事すると、優茉ちゃんは呆れながらも弟くんの部屋に案内してくれた。