甘々王子に懐かれた!?
お洒落な家だ。
壁には色々と小物がぶら下がっており、どこも汚れていないんじゃないかというくらい、壁紙は真っ白だ。
「陽夏ー、来たよ」
「ん、今行く」
ヒナ?
弟くんの名前はヒナっていうのかな?
ヒナと呼ばれた子は気だるげに返事をし、ドアを開けた。
「高っ」
ドアを開けた男の子の第一声はそれだった。
「姉ちゃん、この人が……?」
「そうだよ、言っていた謎の先輩。陽夏に会いたがっていた人」
大丈夫!?弟くん超驚いてるけど!
なに、俺が想像以上に変なやつで驚いてる感じなの?
怖いんだけど。
優茉ちゃん助けて!
「俺、もっと真面目なタイプの人かと思ってた……姉ちゃんが連れてくるって言うから」
「悪かったねぇ、こんなイケメンと友達でして」
今、優茉ちゃん、〝こんなイケメン〟って言った?
しかも、〝友達〟って!
も、もう一回言ってほしい……!優茉ちゃんからそんな言葉が出てくるなんて。
「こんなすごい人が俺に?き、緊張する」
弟くん緊張とか可愛すぎる!
さすが赤坂家。可愛いもの揃いだ。
「はいはい、緊張するだかなんだか知らないけど、部屋に入って自己紹介でもしたら?困ったら、私隣の部屋にいるし」
じゃ、と軽く言って優茉ちゃんは自分の部屋らしきところに消えていった。